前回、きのこ特集として「舞茸」を取り上げましたが、今回はPart2として「しめじ」を特集いたします。
数あるきのこの種類の中でも知名度も美味しさの評価としても常に上位に人気度がランクされる、それが「しめじ」でしょう。俗に「香り松茸、味しめじ」と言われてきたとおり、その美味しさから日本、中国はもとよりヨーロッパでも盛んに食されています。
今回の特集に当たってお邪魔したのは、宮城県北西部に位置する加美町にある「下新田えのき茸生産組合」さんです。お話をお伺いしたのは、組合長をなさっている「近田利樹」さんです。
こちらではハタケシメジの「ふうた」を栽培しています。ネーミングの由来は「風味が豊か」から来ているそうです。もともとは、「えのき」の栽培を20年前ほどから手がけていたそうですが、昨年よりこの「ふうた」を栽培し始めました。前回の舞茸と同様に、栽培するには常に気を配っていないとダメだそうで、とてもデリケートなきのこのようです。特に光と湿度の管理はとても大事で、元来環境の適応が少ないものだと教えていただきました。きのこというものは毎年同じ処に生えてくるというのが、そんなところからきているのでしょうか。
また、こちらでは新たに品種改良された菌では無く、自然の中で自生しているものから菌を取り出し改良したものだそうで、より一層、管理には気を使われているとのことでした。あえて管理に気を使う菌を使用しているのは、「とにかく人間の味覚を第一に考え大事にしていきたいからです。」とのことでした。
また、こちらではまだまだ大変なこだわりがまだあります。それは「地産地消」。菌を植えるおがくずは県内産のものを使用し、添加物として与える米ぬかに至っても県内産のものを使用するといったこだわりようです。「食べる側だけを見ているのではダメなんです。作る側、それに関わる全てを考えないと。」この言葉にこだわりの全てが裏づけされているようでした。現在は仙台市及び宮城県内を主とする流通ですが、将来的には県外も視野には入れているそうです。
しかし、「美味しいもの、珍しいものはすぐに東京に出荷する。でも、それは違う。先ずは県内の人に知ってもらい味わってもらうのが先決だ。」との言葉通り、先ずは「地産地消」ですよね。
最後にこの「ふうた」を使ったおススメの調理法。もちろん和食全般で使用しても美味しいのですが、特にその持ち味が活かされるのは洋風料理でしょう。特にオイルとの愛称がとても良く、熱を加えてもその豊かな風味やシャキっとした歯ざわりが損なわれることは有りません。ぜひお試し下さい。