美味しい茄子が食べたいけど見当たらない。ならば、自分でつくってしまおう。どうせなら、この辺りではつくってない加茂茄子をつくろう。』
宮城県の県北部登米市中田町。田園風景が広がるその中に、今回ご紹介する「弥勒寺の里」があります。遠藤幹雄さんが生産者のその里では、様々な野菜を生産していますが、今からの季節はなんと言っても加茂茄子でしょう。冒頭の言葉にあるように、最初は思いつきで、そしてそこから作り始めた加茂茄子は、今では本場京都にも引けをとらない評判になっています。
加茂茄子と言えば、ご存知の通り京野菜。川は光沢のある黒紫色で軟らかく、肉質はよくしまり、そのため煮崩れせず、田楽料理の他和え物・揚げ物・煮炊き・漬物などにして美味とされ、京都の夏を彩る欠かせない一品です。その野菜が近郊で栽培され、新鮮なうちに食することが出来るとあっては、本当に喜ばしいことです。ハウスを見せて頂くと、今はまだ小さいながら、棘が多い葉の下からはまん丸とした茄子が幾つもさがっています。
ところで、ナスは英語名でegg-plant(エッグプラント)といいます。直訳すれば「卵植物」でしょうか。egg-plantと命名した人は、きっとこの茄子のような丸い形のナスをみて名づけたのでしょうね。
これからが夏本番。遠く京都へ思いを馳せ、ここ「弥勒寺の里」の加茂茄子を食すること、それもまた一興ではないでしょうか。