厳選良品ほまれNEWS NEWSで食の今を知る。話題の食材情報満載!

削り節画像

vol.7 削り節

削り節

削り節画像1

 日本の食文化を代表する一つに鰹節が挙げられます。
諸外国にも鰹節に類似した乾燥食品ものもあるのですが、それは直に食するためであって、日本のように「ダシをとることも考えて」として加工をするのはあまり見当たりません。
 魚体を三枚以上におろし「節」と呼ばれる舟形に整形し加工したものが、基本的な鰹節の作り方になります。この加工工程の差異によって、鰹を茹で干したのみのものを「なまり節」、それを燻製にしたものを「荒節」、さらにカビをつけることにより水分を抜きながら熟成させた「枯節」に分かれます。その中の「なまり節」はそのまま切って煮付け等で食する機会が多く有りますが、「荒節」や「枯節」はやはり薄く削ったものが主流になります。現在の感覚に近い、削ったものを食し始めたのは室町時代からというのは驚きです。江戸時代には燻製で魚肉中の水分を除去する燻乾法が考案され、現在の「荒節」に近いものが作られたとあります。江戸後期になって「枯節」のようにカビを付着させたものが出回ることとなります。

まるご食品

削り節画像2

 仙台市の南部にて昭和52年創業の削り節一筋で家族で営んでいる、「まるご食品」にお邪魔し、代表の「濱口利一」さんにお話を伺ってきました。
 此処では、鹿児島や静岡の「納屋」と呼ばれるところから原料を仕入、削っているそうです。
仕入れたものを、様々な和食の業態に応える為「荒節と枯節の配合」、「削る厚さ」を変えて商品アイテム化しているそうです。何故そこまで拘るのかお伺いすると、「日本は地方によって食の文化が違うので、おのずと好みの出汁がある。そして、仙台には色々な食文化が集まってきているのだから、それに応えたいのです」とお話してくれました。更なる驚きは、この「まるご食品」には一般の「蕎麦屋」顔負けの設備が整っていることでした。仕入れた原料を大釜で煮て味を確かめ、満足したものだけを始めて削りにかけるとの事です。
 実際その場で削ったものを頂きました。日の光で薄く削られた鰹節が輝いています。それを口に含むと驚くほど芳醇なうまみが広がり、鼻からは上品な香りが抜けてゆきます。その後、口の中には固形物としての削り節は跡形も無くなってしまうのですが、うまみだけはいつまでも存在を主張しているのでした。
 「正に職人の技」が生かされている「まるご食品」の削り節。食すれば必ずや日本の食文化の奥深さを再認識することでしょう。 

ページTOPへ

業務用食材専門 ほまれフーズ HOME旬の野菜・果物・新商品厳選良品レポート宮城の食材紹介過去のブログ会社概要お問い合わせ